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コインパーキング経営は、大きく「駐車場運営会社への一括借上げ方式」と「個人経営」に分けられます。
当サイトが実施した、コインパーキング経営に興味がある方109人を対象にしたアンケート調査では、 コインパーキング経営をするなら「個人経営」に魅力を感じると回答した方が62人(56.9%)だったのに対し、「経営委託」に魅力を感じると回答した方が36人(33.0%)、「わからない」という人が11人(10.1%)でした。
実際のところ、どちらが良いのか、コインパーキング経営の専門家に聞いてみました。コインパーキング経営に興味がある土地オーナーはぜひ参考にしてください。
駐車場経営は、個人で行う方法と、駐車場運営会社への一括借上げ方式の2つがあります。個人で行う場合、工事費などの初期費用から、電気代・設備修繕費などのランニングコスト、清掃・クレーム処理などの日常的な管理業務はすべて自分で対応。その分収入はすべて自分のものになるという仕組みです。
一方の一括借上げ方式とは、運営会社が初期費用の負担や日頃のメンテナンスを行い、その費用を差し引いた分をオーナーに支払うという仕組みです。多くの運営会社では「一括借上げ方式」という方法を採用。初期費用、ランニングコスト、管理費などすべての業務を請け負い、オーナーには土地の賃料という形で毎月一定金額を支払うというものです。
駐車場経営はアパートやマンション経営と比べると費用や手間が少なく済むため、個人経営も不可能ではありません。ただし、広い駐車場になると巡回や清掃などが思ったよりも大変、ということもあるようです。また入金管理や集金、問い合わせ業務などを行う必要があり、建物管理に比べてラクとはいえ、細かい対応が必要なことも事実。個人経営は、本業として、もしくはリタイヤ後など時間に余裕がある方向きといえそうです。
東証プライム上場のイチネンホールディングスのグループ会社で、初期費用0円・一括借上げ方式で安定収入が目指せるうえ、管理業務すべて負担と、オーナー目線の運営を心掛け、成功オーナーを数々輩出しているイチネンパーキング。西日本営業一部部長の橋本乃一さんにコインパーキング経営を始めるうえでの不安や疑問をぶつけてみました。
イチネンパーキング
橋本さん
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イチネンパーキング
橋本さん
イチネンパーキング
橋本さん
イチネンパーキング
橋本さん
橋本さんのお話をまとめると、コインパーキング経営を個人で行う場合、収入はすべて自分のものになる分、利用者への対応や集金、設備修理の費用などもすべて自分で負担しなければならない、ということです。空き状況によっては収益が思った以上に上がらないことも多く、途中で一括借上げ方式に切り替えるオーナーさんもいらっしゃるとのこと。
そう考えると、一括借上げ方式は管理に手間がかからず収入も一定しているため、今後の見通しを立てやすいことがメリットといえそうです。市場調査をしっかり行ったうえで、収益の目安を提示してくれる会社選びをすることが大切と言えるでしょう。
イチネンパーキングの協力を得て、安定収益を上げている現役オーナーの方に「コインパーキング経営の成功のコツ」を聞きました。 60代男性のCさんは、7台分の駐車スペースを持ち、月額の賃料は22万円程度。収益は主に貯蓄に回しているそうです。
Cさん
60代男性
経営歴20年
イチネンパーキングでは、コインパーキング経営のイニシャルコストからランニングコストまでの費用を負担してくれます。基本的に土地さえあれば、すぐにコインパーキング経営を始めることが可能で、クレーム対応や集金、経理などの面倒な管理業務もすべてお任せOK。一括借上げ方式のため、毎月安定した収入を得ることが可能です。
イチネンパーキングの最大の強みは、契約からその後のサポートまで一貫体制で同じ営業担当者が行ってくれる点にあります。周辺店舗と提携を行うため(=収益の増加)の営業活動や、定期的な設備点検・清掃によるサービス向上がモットー。インタビューにもあったように、事前の周辺調査に力を入れているため、経営を行う前に賃料がわかることもポイントです。2021年7月現在、全国1,500カ所の駐車場を運営しており、実績の面でも安心して任せられる会社といえるでしょう。
個人経営なら、得られる収益は自分のものです。経費は差し引きますが、残った収益は自分の手元に入ります。収益だけを見た場合、売上が出れば出るほど儲かる方法と言えます。
土地活用という面でも気軽にはじめられます。狭小地や変形地でも、オーナーが「やりたい」といえば誰も止められません。立地条件がよく、需要があるなら、狭小地や変形地でも利益が期待できます。
外部に委託しない場合、設備や備品や宣伝広告まで、オーナーが自由に決めることができます。その点に経営の楽しさを見出せる方なら個人がぴったりでしょう。
コインパーキングのための設備や備品や広告宣伝費など、自分で用意しなければなりません。初期費用は大きくなりがちです。経営をスタートしてからのランニングコストも自分で負担します。
1番の負担は管理業務をするための労力です。トラブルが起きれば、すべて自分で対応しなければなりません。24時間経営なら、早朝、深夜関係なくトラブル対応を求められます。設備の修繕や交換の問い合わせや手続きも不要です。
宣伝広告や需要があるかどうかのリサーチも行います。競合に勝つための戦略も自分で練らなければなりません。専門知識や経験がないと失敗するリスクが高まります。
コインパーキング経営では、管理会社に管理業務を委託する方法もあります。一般的に【管理委託方式】と【一括借上方式】です。管理委託方式は、管理会社に経営管理を委託します。管理の手間がなく、遠方の経営でも問題ありません。
一括借上方式は、コインパーキングのための土地を駐車場運営会社に貸出し、賃料が収益です。土地の賃料のため、契約数や稼働数に左右されず、安定した収入を得られます。
管理も契約した会社が行うため不要ですし、土地の舗装は必要になる場合も多いですが、設備の購入や設置といった初期費用や、税金以外のランニングコストも契約した会社が負担します。副業や兼業でも、管理をすべて任せられるため負担がほとんどありません。
コインパーキング経営の収益の仕組みは?
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管理業務委託は管理委託料が発生し、初期費用も負担が発生します。コインパーキングの稼働率で収益率が左右するため安定性の面で弱くなる場合も。契約内容によりますが、稼働率が少なければ収益が減るという点では個人経営と変わりません。
一括借上方式は、あくまで土地貸しのため、稼働率に関係なく収益は一定です。そのため稼働率が高い場合でも賃料は一定数ですから不満が生まれる可能性はあります。しかし需要が低い場所なら、稼働率に一喜一憂しなくて済むのです。「管理業務や宣伝広告やリサーチをするのが楽しくて自分がすべて行いたい」という方も適していません。
コインパーキング経営をする上で必要な管理業務と、個人管理を行う上で知っておきたいトラブルについて紹介します。
オープン時に行うべき管理業務として欠かせないのは「コインパーキングができたことの告知」でしょう。コインパーキングを始めた後、できるだけ多くの人にまずには認知してもらうことが、利用者を増やすポイントとなります。チラシ配布やポスティング、広告出稿、のぼり設置など、効果的な方法を選択しましょう。
コインパーキングの一角を月極駐車場として貸し出す場合は、賃貸借契約書を交わす業務もあります。
日常的に行う管理業務は大きく分けて4つあります。
1つ目はコインパーキング内を清潔に保つための清掃と犯罪防止のための巡回です。ゴミ拾いだけでなく、草抜きなども定期的に行うことで、違法駐車や放置車両防止にもつながるでしょう。
2つ目は入金管理です。コインパーキングの場合は、精算機のお金を集金し、同時にお釣りの補充や領収書など印字する紙の確認と補充を行いましょう。月極契約をしている場合は、入金漏れの確認が必要です。
3つ目は、利用者もしくは利用希望者からの問い合わせ対応です。スピーディーかつ丁寧に対応することが大切でしょう。
4つ目は、近隣の競合コインパーキングの増減や価格変動といった市場調査です。需要と供給のバランスを把握し、必要に応じて価格設定の見直しも欠かせません。常にアンテナをはっておくことが大切です。
突発的に起こるイレギュラーな管理業務についても知っておきましょう。
駐車場内での車両同士の事故や駐車場内の塀やフェンスに破損などの設備破損事故が発生する可能性があります。このような事故やトラブルに対応するのも管理業務の一つです。また、コインパーキング内にたむろする若者の話し声がうるさいなど騒音苦情が入ることも考えられます。監視カメラの設置や騒音に対する注意喚起などの貼り紙をするなど対策を講じておきましょう。開業時に、近隣住民の方への挨拶は忘れずに行ってください。
料金収受の機械、フラップ板や出入り口のバーの故障などが発生することもあります。経年劣化もあるため、定期的にメンテナンスが必要です。
個人でコインパーキング経営をしていて起こりがちなトラブルには「料金トラブル」があります。特に、月極契約をしている場合、入金遅れや滞納といったトラブルに見舞われることは珍しくありません。契約時に保証人必須にしたり敷金を設定したりするなどの対策を講じましょう。
さらに、料金掲示が分かりにくいとか、思っていたより金額が高いなどのクレーム対応を受けることもあるので、分かりやすい料金体系にしておくことをおすすめします。
コインパーキングでは騒音についての苦情もよくあります。夜間の車の出入りがうるさい、若者が駐車場に集まって長時間騒いでいるなどがよくある事例です。
コインパーキングの管理を委託している場合には、クレームが直接オーナーに来たり、対応したりする必要はありませんが、個人経営の場合には何らかの対策が必要です。
「駐車場内ではお静かにお願いします」などの看板で注意喚起をする、監視カメラを設置するといった対策が有効でしょう。
開業する際に、近隣住民へ挨拶しておくことも大切です。
コインパーキングは基本的に無人経営なので、利用者のマナーが悪いとペットボトルやタバコの吸い殻などのゴミが放置されることがあります。
汚れた駐車場は、契約者の減少や稼働率に直結するだけでなく、犯罪や放置車両、違法駐車といった別のトラブルを招く可能性が高くなるため、定期的な巡回と清掃が必要です。
個人経営で定期的な清掃が行えない場合には、清掃業務を委託しましょう。