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「コインパーキング経営を始めるために知っておくべき法律って何だろう?」、「何か特別な届出って必要なのかな?」などなど、土地活用のためにコインパーキング経営をスタートしたいと思うものの、不安になることも多いでしょう。
ここでは、コインパーキング経営に関する法律や条例についてご紹介します。
コインパーキングを経営する際、原則として届出は不要です。経営にあたって資格なども求められないため、比較的始めやすい事業です。
しかし、以下に該当する場合は「駐車場法」にもとづき、必要事項を都道府県知事等に届ける必要があります(※)。
ちなみに、届出のタイミングは、使用開始から10日以内と定められており、運営の基本となる管理規定の設置も必要です。
コインパーキングを始めようと思っている土地が都市計画区域内に該当するかどうかは、市町村の都市計画課に直接問い合わせると分かります。
コインパーキング経営をはじめる際に気にしておきたいのは「消費者契約法」です。通常、コインパーキングの敷地内に駐車場利用規約の立て看板やパネルが掲示します。駐車場利用規約とは、コインパーキングの利用方法やルールなどが明記されているものです。
コインパーキング経営者側から考えると、場内で起こった事故や盗難といったトラブルは、当然当事者同士で解決してもらいたいと考えるでしょう。しかし、「○○については、一切の責任を負わない」といった文言を記載すると、消費者保護の観点から無効と判断されます。この表記だけをみると、コインパーキング経営をしている事業者が故意に行った行為であっても免責されることになってしまい、あまりに不条理です。
そのため、免責条項の記載をする際は、消費者契約法に反しない記載方法にするようにしましょう。
コインパーキング経営をしていると、利用者の誤精算や近隣からの苦情が発生する可能性があります。たとえば、精算時に誤った番号を入力し、別の車の支払いをしてしまうケースや、騒音や排気ガス、照明などについて近隣住民からクレームを受けたり、場内の利用者同士の事故が起こったりすることがあります。これらの事案に対して、駐車場利用規約などを利用してルールを明記するとともに、物理的な対策を講じることが大切です。
駐車場利用規約には、精算機での入力誤りや車両事故などについて、当事者責任であることを明記しましょう。また、防犯カメラや監視カメラなどを設置するとともに、日常的に清掃をするなどして現場管理を徹底しておくことも必要です。
コインパーキングを設置する地域によっては、景観条例やまちづくり条例に抵触する可能性もあります。たとえば、観光地に近い場所であれば、美観や景観を損なわない色や形に配慮した看板などを設置するといった制約が設けられています。そのため、事前にコインパーキングを設置しようと計画している市町村の都市計画課に問い合わせることをおすすめします。
また、まちづくり条例が定められている地域もあります。その場合は、コインパーキングを設置する際に、市町村の担当課に事前相談をし、近隣住民への説明を行い許可を得た上で、改めて設営基準などを満たしているか自治体と協議しながら進める必要があります。
コインパーキングは無人で営業し、不特定多数の人が利用するビジネスモデルです。そのため、トラブルを避けるためには料金システムや利用上の注意点などを、分かりやすい場所に適切に掲示することが大切です。誤解を生むような紛らわしい表記をすると、景品表示法違反になりかねません。
たとえば、駐車場利用規約が、2メートル以上の高さの場所に小さく掲示されているだけだと、読みづらく利用者に混乱をきたしてしまうでしょう。また、24時間最大料金の掲示はあるものの、利用時間や利用日数などの条件が明記されていない、もしくはあまりに小さなサイズでの表記など誤解を生むような表記も同様です。
掲示は、トラブルが起こりづらくすることが大前提と認識しておきましょう。
原則として、都市計画区域外で、駐車スペースが500㎡(約150坪)未満の小規模なコインパーキング経営であれば、届出は不要です。しかし、駐車場利用規約の掲示内容や掲示方法、苦情などへの予防措置は講じておくことが大切です。
また、コインパーキング経営をしていると、料金未徴収で出庫されたり、長期間駐車をされたり、場内での交通事故など、頻度は少ないものの何かしらトラブルには見舞われるものです。どのような対応をすればいいか分からない…といった方は、法律やクレーム対応などにも慣れている駐車場運営会社に依頼すると安心です。