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コインパーキングを経営するときは、最初に設備を整える必要があります。設備がどれくらいの年数使えるかは、利益を大きく左右する要素です。ここでは、耐用年数について解説します。
コインパーキングには、いくつかの設備が必要です。初期費用がかかりますが、設置すれば数年間は使用可能。収支の計画に大切なので、設備ごとの法定耐用年数を紹介します。
コインパーキングの利用料金精算を無人で管理するタイプの駐車場には、大きく分けて、ロック式とゲート式があります。
ロック式は、車一台ごとにフラップを設置するタイプ。ゲート式は、駐車場の出入り口にバーと精算機を設置して、車に乗ったまま精算できるタイプです。
このフラップとバー、そして駐車券発行機や料金自動精算機の耐用年数は、5年です。
以前は10年でしたが、自動車の排気ガスなどの影響を受けるため、腐食しやすいことから、2014年9月に一般社団法人日本パーキングビジネス協会の「時間貸駐車場における表示・運用のガイドライン」によって、5年に修正されました。
コインパーキングには看板を設置します。看板の耐用年数は約3~5年です。
ここで言う耐用年数とは、法定耐用年数のこと。なぜ法律で耐用年数が定められているかというと、減価償却費として計上できるからです。会計上、大きな設備の購入は、法定耐用年数で減価償却します。
つまり、耐用年数は、モノ自体の耐久年数ではありません。看板は3~5年で使えなくなるということではなく、3~5年で価値がなくなるという意味です。
耐用年数が経過しても、状態がよければそのまま使えますが、価値がなくなったものを設置すると集客に影響があるかもしれません。会計上は経費計上が完了している状態なので、新しい看板に買い替えの検討をする時期と言えるでしょう。
コインパーキングをはじめるときは、電気が引き込まれていないケースがほとんどです。精算機などを作動させるために、一時電源の引き込みと電源供給のための設備が必要になります。
一時電源の引き込み設備の耐用年数は、約15年です。
ここまでで説明した耐用年数は、減価償却できる法定耐用年数です。すでにお伝えした通り、実際の耐久年数とは異なります。
実際はどれくらい使えるのか、耐久年数が気になるのではないでしょうか。
耐久年数は、設置状況よって差が生じます。雨風に直接当たるか屋根があるかなど、物理的な影響もありますが、一番差をつけるのは、日ごろのメンテナンスです。
丁寧にメンテナンスをおこない、定期的な保守・点検、適切な修理をおこなっていれば、10年ほど使えます。
自営でコインパーキングを運営する場合は、これらの設備は初期投資が必要で、減価償却していくことになります。日々のメンテナンスが大変ですが、しっかりメンテナンスすることで、長く使える状態を維持できるでしょう。
大切に保守・管理をおこない、減価償却後も使い続けられれば、経費の削減につながり、利益が増えます。そして、その利益がすべて、オーナーの収入になるのが自営方式でコインパーキングを経営するメリットです。
オーナーが自営で経営すれば、自分が納得できるメンテナンスを施し、設備を長持ちさせられるかもしれません。
一方で、メンテナンスに手がかけられないと設備の寿命が短くなる可能性もあります。
運営会社に委託する一括借り上げ方式のコインパーキング経営なら、専門知識や経験を元に適切なメンテナンスをしてもらえて、保守や修理にかかる費用も負担してもらえます。初期費用も不要な会社が多く、設備の維持費を心配する必要がありません。
コインパーキング経営にかけられる労力次第では、一括借り上げ方式という選択肢も検討してみる価値があるでしょう。