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コインパーキングといえば、平面駐車場が思い浮かびますが、土地が広くない場合などには立体駐車場の方がメリットがあることもあります。立体駐車場とはどのようなものか、種類や初期費用などを解説します。
その名の通り、立体的に駐車できるよう作られた駐車場が立体駐車場です。2タイプあるのでそれぞれ紹介します。
利用者が運転して駐車スペースまで行くタイプです。車路が回廊のようにグルグル回っているケースが多く、大型ショッピングモールなど規模が大きい駐車場でよく採用されています。
同じ土地の広さでも多くの車輌を収容でき、屋根があるため雨天でも濡れないメリットがあります。防犯においても監視しやすいのが特徴です。
大型のエレベーターのような昇降機に車輌を入れ、人が出た後に車を上げるタイプの駐車場です。機械を使って上に積み上げるようにして収納するので、数台分しか駐車スペースがない場合でも多くの車を駐車することができます。
ただし機械を操作する必要があり、出庫の際にも車が1番下に戻ってくるまである程度の時間がかかります。
平面駐車場の場合、更地にしてアスファルト舗装をすれば、ラインを引き、ロック板や精算機を設置し、照明や看板を付けるだけで運営がスタートできます。初期費用としては1台あたり10〜50万円が目安でしょう。
一方、立体駐車場は建物を建てる必要があるため、初期費用が割高になります。自走式駐車場で1台あたり100〜350万円、機械式駐車場で1台あたり100〜500万円程度かかります。
また運営開始後のランニングコストにも大きな差があります。平面駐車場のランニングコストは主に電気代で、年間1台あたり10〜20万円程度です。
立体駐車場の場合はまずメンテナンス費として月額1,000〜8,000円程度かかり、自走式では塗膜防止メンテナンスも必要。機械式は1台の入出庫にすべてのパレットを動かすため、電気代が高額になることもあります。平面式駐車場と比較すると、立体駐車場の初期費用やランニングコストは割高といえます。
平面駐車場は土地の広さの分しか駐車スペースを確保できませんが、立体駐車場は縦方向のスペースを活用するため、駐車台数を増やすことができます。自走式も十分に駐車台数を増やせますが、ある程度の広さが必要です。機械式であれば、車路の必要がなく土地すべてを駐車スペースとして利用できます。
自動式駐車場がよく採用される大型商業施設などは、多くの人が出入りするため高い防犯性が求められます。基本的に駐車場は無人ですが、人が多いことと防犯カメラでの監視がしやすい点はメリットです。機械式であれば車は機械の中へ入ってしまうため、防犯性という面では非常に高いと言えます。
平面駐車場の場合、かなり立地のよい場所であっても利回りの上限は低めで留まります。しかし立体駐車場は同じ土地であっても、縦方向に複数段に重ねて利用できるため駐車台数が多くなり、利回りが上がりやすくなります。
立体駐車場は、初期費用やランニングコストは平面駐車場よりかかりますが、長い期間経営することを考えると、利回りが上がりやすいメリットがあります。繁華街にある駐車場や、成功している平面駐車場など、立体駐車場の導入を検討してみてはいかがでしょうか。