目次
多くの人や車が密集している東京都。一見駐車場経営に適しているように見えますが、その一方、好立地の地域では固定資産税などの税金が高くなりがちです。実は収益性が低い場合もありますので、最初の見極めが重要といえます。
一般的には、月極駐車場よりもコインパーキング(時間貸駐車場)の方が、駐車場経営としての収益性は高いといわれていますが、その地域の周辺環境や駐車場ニーズを見極めることが何よりも重要です。東京都内に限らず、駐車場経営を成功させる上で何よりも大切なのは、まずその土地が、月極駐車場とコインパーキングのどちらに適しているのかということや、そもそも駐車場としての需要があるのかどうか、地域のニーズや特性なども正確に把握しておくことなのです。
東京都でコインパーキング経営を行う際は、以下の点を把握することがポイントです。
その土地の周囲の人口や交通量は、駐車場ニーズを左右する非常に大きなポイントです。 ビジネス街のような昼間に人が多いエリアと、住宅街のような夜間や休日に人が多いエリアでは、求められる駐車場のタイプも異なるでしょう。そのたえ、時間ごとの人口や交通量、そのエリアですでに存在している駐車場の有無や件数などを調査し、総合的に把握しておくことが必要です。
土地をすでに所有している場合は、土地を持っていない場合に比べて、圧倒的に駐車場経営を始める上では有利です。駐車場経営を始めるために土地を購入する場合は、地価が高い場所の土地を買うと初期費用がかかりすぎますし、駐車場経営の利益ではまかなえない可能性が出てきてしまいます。逆に、もともと地価が高い土地を所有している場合は、イチから駐車場経営を始めるライバルが少ないと考えることもできます。
2021年[令和3年]の東京都の基準地価は、平均102万7417円/m2で、坪単価は339万6423円/坪です。東京都の市区町村地価ランキングで最も高額なのは中央区で、地価平均は534万4032円/m2、坪単価は1766万6222円/坪。次いで千代田区、港区となっています。
参照元:土地代データ(https://tochidai.info/tokyo/)
駐車場経営を行う上で、固定資産税などの土地にかかる税金は非常に重要なポイントです。まず、土地はただ持っているだけで税金がかかりますので、家や店舗などの物件を建てる予定がない場合に駐車場として活用する、というように、何らかの方法で収益を上げ、せめて税金分だけでもまかなうといいでしょう。ですが、大都会である東京都内の中心部では、固定資産税が高いエリアもありますので、駐車場経営による収入だけでは見合った税金をまかなえないケースも。そのため、駐車場経営で見込まれる収益と、所得税や固定資産税などの支払う税金の額を事前に比較し、検証しておくことが重要なのです。
一概に、東京23区で駐車場経営を成功させやすいエリアといえる場所はありませんが、車の所有率や駐車場の数などからある程度推測できます。車の所有率が高いエリアは、新宿区、目黒区、渋谷区、大田区、江戸川区、練馬区、世田谷区、杉並区あたり。この地域では駐車場の需要は高い反面、駐車場激戦区となっていますので、立地の良さなど、他の駐車場にはない魅力がないと収益を上げるのは難しいかもしれません。
売りに出ている駐車場が少ないエリアは、荒川区、江東区、千代田区、中野区、墨田区あたり。売りに出ている駐車場が少ないということは、成功している可能性が高いと考えられますので、対象エリアの土地を持っている場合は狙い目といえるでしょう。
千代田区は、コインパーキングが多いエリアです。以前は飲食店やビルがあったところに、いつの間にかコインパーキングができていたなんてことも。それだけ駐車場の需要が高い千代田区エリアにあるコインパーキングは、常に満車の状態が目立ち、停められるところがなかなか見つからないくほどです。その上、駐車場料金は都内の中でも高い傾向で、企業への納品や営業など、仕事でコインパーキングを利用している人が多く、比較的、駐車場経営を成功させやすいエリアといえます。
江東区は、門前仲町の駅前をはじめ、賑やかな場所もありますが、夜は人がまったくいないというような倉庫街もあるエリア。道も土地も広々としているのが特徴の江東区の倉庫街の周辺にはコインパーキングがいくつかありますので、駐車場不足という感じはありません。また、江東区ではタワーマンションが多く建てられ、人口が激増した豊洲エリアなどは、車の所有者も多い傾向。その一方、大きい駐車場はあまり見られないので、パーキングが不足している可能性があるエリアです。
町田エリアの中でも、特に町田駅周辺には商業施設と飲食店がたくさんあります。駅から徒歩20分以上離れた場所にはちらほらとパーキングが見られますが、駅周辺にはパーキングの数は少なめ。リス園や動物園などの人が多く集まる場所が点在していて、その施設の周辺のパーキングは、日によっては混雑しています。立地によっては、平日でも満車のパーキングも多くありますので、駐車場経営を成功させやすいエリアなのかもしれません。
上記のエリアで、土地活用のためにコインパーキング経営を行うのであれば、それぞれの地域の特性を踏まえることが先決です。まずはしっかりと調査をし、どんな形態の駐車場が向いているかを見極め、検討した上で判断しましょう。